サラリーマンから飛び込んで知った、保育の仕事の面白さ【インタビュー】

サラリーマンから飛び込んで知った、保育の仕事の面白さ【インタビュー】

【プロフィール】
松尾翔史(まつお しょうし)1984年生まれ。新卒で石油販売会社に入社し石油の販売営業を経験。退社後、保育補助のパートをしながら、2014年12月に独学と週1回のスクーリングで保育士資格を取得。2015年4月より認定NPO法人フローレンスの小規模認可保育所「おうち保育園」ごたんだ園に勤務。

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サラリーマン5年目、もう一度「自分のやりたいこと」と向き合った

-今までのキャリアを教えてください

私は新卒で一般企業に就職して約5年間、石油販売の営業をしていました。人間関係もよく、楽しく働いていましたが、「他社と比べて何銭安くできるか」というような価格競争に巻き込まれる仕事にモチベーションを上げることができず、転職を考えました。

-そこからなぜ保育業界に転身しようと考えたんですか?

次の仕事を考えたときに、「そういえば、高校3年生で進学を考えたときに保育士という選択肢も考えたな」と思い出したのです。

当時は保育というと進学先に女子大が多かったり、他にも興味のあることがあったので、当時は保育の道を選びませんでした。ですが転職を考えた時に、改めて「自分がやりたいことは何か」と考えると「やっぱり保育士を目指したい」と思ったんです。

それで前職を退職したあと、知り合いの紹介で保育補助のパートをしながら約1年間保育士試験の勉強をして無事に保育士資格を取得しました。

当時のパート先は大規模園だったので、園児の数が多く、どうしても関われない子どもが出てくる。もう少し少人数の保育がないかなと思ってネットで検索して一番にヒットしたのが、フローレンスの小規模保育園との出会いです。

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小規模園なら毎日みんなを抱きしめられる

-実際に保育の仕事をやってみてどうですか?

今、園児が12名の小規模保育園「おうち保育園ごたんだ園」で1歳児クラスを担当しています。まだ保育士1年目なので、先輩保育士の皆さんの様子を見て、保育や保護者の方とのコミュニケーションなどを勉強する毎日です。

入園した当時は私の顔を見ると泣いてしまった子どももいましたが、年度末となったいまでは「しょうせんせ~い」と抱きついてきてくれるので、かわいくて仕方ないですね。クラスはありますが、日々すべての園児たちと関わるので、卒園や転園を思ったら「絶対泣く」と思います(笑)。

パートで働いた大規模園では保育補助だったので単純には比べられないですが、今の小規模保育では12人という子どもたちを全員抱きしめることができる。特に対象としている0歳~2歳の時期はスキンシップも大切と言われる時期なので、午睡明けなどは「おはよう」と声をかけてかならず抱きしめるようにしています。

まだ1年目で12人の子どもたちしかしらないので、もっと子どもたちの発達を知りたいし、さまざまな成長の過程を知りたいと思っています。

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サラリーマン出身だからこそ感じられる面白さがある

-前職の経験があることや、男性保育士という点で感じるところはなにかありますか?

毎日子どもと触れ合っていても、やっぱり子どもの世界は大人には分からないことだらけです。子育て中の保護者でも分からないことも多いし、比較的関わりが少ないといわれる男性であればなおのことです。

でも、保育士として関わってみると、子どもの世界って不思議で意外と複雑で深い、子どもの想像力は面白いんです。オフィスワークをしていたからこそ分かる面白さはあると思います。

実は男性保育士同士で集まる機会が定期的にあるのですが、男性保育士としての立ち位置を話していると、まだまだ女性社会の中で、ズバッと言う女性の先生のフォローにまわったり、一昔まえをイメージした父親像を目指してみたり、みんな試行錯誤しているなと感じています。

でもやりがいの大きい仕事だし、大人が力を使う遊びは子どもたちも大好きなんです。この前も私が寝転がって、その上に園児5-6人に乗っかられて動くなど、身体を使った遊びは男性の特権かもしれませんね。

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まわりみちをして辿り着いた「国の宝」を支える仕事

-保育業界を目指す人に何かメッセージをお願いします

ありきたりですが、「子どもは国の宝」です。これから日本を背負うのは子どもたちだと思っています。だから子どもたちがのびのびと育つことができる国であってほしい。そのためにも子どもの成長を支える保育士は大切な仕事だと感じています。

私が所属しているフローレンスは保育事業を運営しながら、もっと子育てのしやすい国に変えていこうという動きもしています。自分もそういう未来をつくるお手伝いの一端を担っていると思っています。

私は色々と回り道をしてなった保育士の仕事ですが、高校時代の自分に会いに行ったとしても、すぐに保育士にならなくてもいいと言うと思います。社会的に閉ざされがちな仕事なので、自分だったら世間知らずになっていたかもしれない。これから保育の世界を目指す人たちは、楽しい仕事だけど、なりたいと思ったときに飛び込んだらいいと思います!

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【団体概要】
●認定NPO法人フローレンス
http://florence.or.jp/

2004年より子どもが病気の際に保護者の代わりに保育を行う病児保育事業を開始。以後、少人数の保育園「おうち保育園」の運営、障害児専門の保育園や訪問保育を行う障害児保育事業、孤独な子育て問題を解消するためのコミュニティ創出事業、子どもの虐待死を防ぐ赤ちゃん縁組事業をなど、「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」をミッションに、事業を展開している。

●おうち保育園
http://www.ouchi-hoikuen.jp/
待機児童問題解消のための、19名以下の小規模保育園。2010年に江東区・東雲に「保育ママ事業」の派生型として初めて開園する。その後、子ども子育て支援法にモデル事業として取り入れられ、2015年子ども子育て新制度により認可保育園としてスタート。2016年4月現在、都内および仙台市に15園を開園。

INFORMATION

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スゴいい保育編集部
「スゴいい保育」を通じて保育という仕事の素晴らしさを伝えていくことにチャレンジするチーム。日本中の色んな「スゴい!」「いい!」保育を日々探し、みなさんに紹介します。

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