【保育の心理学】人間の発達要因って遺伝?環境? それぞれの考え方のまとめ

こんにちは。東大卒イクメンパパです。
イクメンです。イケメンではありません。

今回は保育の心理学についてです。

保育の心理学は、勉強していて「面白い」と思う人も多いかと思いますが、それでも、人名や専門用語を覚えるのはそれなりにパワーが必要ですよね。そのあたりを補強できるよう、発達が環境か、遺伝か?という論議について、まとめてみました。

発達心理学における発達要因は「遺伝」と「環境」

保育の心理学の試験問題では、発達心理学における発達要因について取り上げられます。言い換えると、人間の発達(身体的あるいは内的・精神的いずれも)に、何が影響を及ぼしているかということです。

発達要因は、「遺伝」と「環境」の2つとされています。


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この遺伝と発達が、それぞれどの程度発達に影響しているか、ということについて、歴史的にいくつかの考え方があり、それらが試験にも出題されます。

今回は「人間の発達要因はなにか?」という疑問に対してこれまでに提唱されているそれぞれの説を説明します。

どんな説か、誰が主張したかというあたりがよく出題されるので、おさえておきましょう。

なお、各スライドに出てくるイラストは、提唱者のイメージですが、似顔絵というわけではありませんのでご注意ください^^;

その1:遺伝説

ひとつめの説は、発達は遺伝によって決まる、と考える説で、アメリカの心理学者ゲゼルなどが唱えていました。


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関連して出題されるキーワードとしてはレディネスという概念があります。

このあたりテキストを読んでもちょっとわかりづらいので補足すると、遺伝説は成熟優位説とも言われます。生まれてからの経験や環境よりも、生まれ持った性質(能力)がちゃんと使えるようになる(=成熟する)ことが大事、という考え方です。

この、「生まれ持った性質がちゃんと使えるようになっていること」というのがレディネス(アーユーレディ?の「レディ」です)で、「準備ができていること」という意味です。

双子の階段上りの実験が有名で、階段を上る訓練を、双子の一方には生後46週から初めて6週間、もうひとりには生後50週から開始して2週間行ったところ、あとから始めた子のほうが階段を上れるようになるのがずっとはやかった、というもの。


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ゲゼルはこれを、生後50週くらいのほうが、身体が発育し、階段を上る(など)という運動に対する準備がちゃんとできていたからだ、としました。これが「準備ができていること」つまりレディネスの考え方です。


その2:環境説

次は環境説。その名の通り、人間の発達は生まれた後の環境(経験や学習)によって決まるという考え方です。

こちらもアメリカの心理学者ワトソンなどが主な提唱者です。

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有名なのは「アルバート坊やの実験」で、赤ちゃんに白いネズミのおもちゃを見せ、同時に大きな音を鳴らして怖がらせるというもの。実験を繰り返すと、赤ちゃんは音を鳴らさなくても白いネズミ、あるいは白いものを見るだけで怖がるようになりました。

この結果をもって、後天的な学習づけで人間の発達が決まる、と主張したわけです。
(なんとも恐ろしい実験ですが、20世紀前半に行われたものです。今では倫理的にできないでしょう)

その3:輻輳説

遺伝だ!環境だ!と来て、次は「遺伝と環境が両方影響する」という考え方が生まれます。

そのはしりが輻輳(ふくそう)説で、ざっくり言うと、発達は遺伝と環境の足し算である、という説です。シュテルンなどが唱えました。

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足し算というのがどういうことかというと、身長を例にとると、遺伝が80%、環境が20%のように考えます(実際に身長がそういうものであるというわけではありません)。

生まれつきの性質で身長がどれくらいになるかはおおかた決まり、背を伸ばそうとする工夫(カルシウムを取るとか、ぶら下がりとかでしょうか)をどれくらいやるかでプラス20%の部分が決まる、という感じです。

ちなみに「輻輳」という言葉は「集まる」といった意味ですが、遺伝要因と環境要因が(単純に)集まる・合わさるというイメージで考えるとよいかもしれません。


その4:相互作用説・環境閾値説

そして輻輳説の後にあらわれた、現在主流となっている考え方が、相互作用説です。

相互作用説は、人間の発達に遺伝と環境の要素が関わるという点は輻輳説とかわりませんが、新しいポイントは、遺伝と環境がお互いに影響する(相互作用)ものだ、という考え方。

いってみれば、発達は遺伝と環境の「かけ算」だという発想です。

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相互作用説の中でも具体的な遺伝と環境の関係性について説明しているのが、ジェンセンが唱えた環境閾値説です。

「閾値(いきち)」というのは、ある要素が生き物などに何らかの影響を与える最小の度合い、ボーダーラインとでもいうもの。

たとえばコップ一杯の水の中に砂糖をひとつぶだけ入れても、飲んでも甘みは感じません。
だんだんと砂糖の量を増やしていくと、水に入れる量がある量になった時点で、飲むと甘みを感じるようになるでしょう(ほんのわずかでも)。
その「甘みを感じるようになる量」が、人間の味覚に対する砂糖の量の閾値、という感じです。


では環境閾値説がどういうものかというと、ある性質があらわれるためには、遺伝要因も環境要因も必要だが、性質によって、必要となる環境要因の度合いが異なる、という考え方です。

たとえば身長のような性質であれば、両親などからの遺伝の影響が大きく、どのような環境(育て方、経験)であっても、親の身長が高ければ、子どもも身長が高くなりますが、

絶対音感(耳で聞いただけでドレミ…の何の音かわかる)のような性質だと、両親がその声質を持っていたとしても、環境(音楽に十分に親しんでいるとか、訓練を受けているとか)の影響がないと身につかない、という感じです。

逆に言うと、身長の場合は、環境要因の影響度合い(閾値)が低いが、絶対音感の場合は閾値が高い、ということになります。

今回のまとめ

まとめポイントとしては、以下のとおりです。

・人間の発達の要因は、大きく「遺伝」と「環境」のふたつの要素
・「遺伝説」「環境説」「輻輳説=遺伝+環境」「相互作用説=遺伝×環境」
・「環境閾値説」は性質によって必要な環境要素の度合いが異なるという考え方

・・・という感じですが、文字ばかりというのもわかりづらいので、今回の内容をざっくり1枚の図にまとめてみました。

こんな感じです。


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かなり簡略化した表現なので、学術的に正確ではないかもしれませんが、保育士試験対策としてはこんな感じでイメージしておくのがよいのではないかと思います。

つぶやき

保育の心理学は、勉強していて楽しいと感じる人も多いと思います。たぶん、「子どものああいうふるまいは、こういう意味があったんだ!」というふうに、自分の具体的な経験と結びつけやすいからではないでしょうか。

知識を身につけるには、新しい概念を「すでに知っている何か」と結びつけてイメージすることが大事です。他の教科でも、そんなイメージ作りをしながら勉強してくとよいかもしれません。

ではでは!

読んでいただいた方へ

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著者プロフィール

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東大卒イクメンパパ
フローレンスで働く東大卒のパパ社員です。2歳の娘に奥さんともども毎日楽しく振り回されています。いろいろありまして、保育士試験を受験することになりました。東大受験のあらゆるノウハウを駆使して(?)試験合格を目指しつつ、ポイントをブログにまとめて、同じように保育士試験を受験する方を応援していきます!働きながら、育児しながら試験勉強がんばります!

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