子どもの好奇心を大切に。食を通じて、人生の基盤をつくる【栄養士インタビュー】

【プロフィール】
田崎広恵(たざき ひろえ)
1987年生まれ。管理栄養士。新卒で認定NPO法人フローレンスのおうち保育園しののめオープニングスタッフとして入社し、調理業務に従事。その後、エリアマネージャーとして、4年半おうち保育園運営にも携わる。現在は、おうち保育園の栄養士業務に携わる。2015年保育士資格を取得。

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「食の原点」に関わることができるのが保育園調理の魅力

-今までのキャリアをお願いします。

私は2010年4月に、認定NPO法人フローレンスが運営する初めての小規模保育園「おうち保育園しののめ」のオープニングスタッフとして入社し、調理の仕事をしていました。

2年目からは本部に異動し、給食事務と行政手続きをすることに。3年目からはエリアマネージャーとして、江東区・台東区にあるおうち保育園のサポートをしていました。その期間は、給食事務以外にも開園や行政事務、園スタッフの面談など多岐にわたる仕事をしていました。

おうち保育園が認可に移行したタイミングで13園全園に給食が必要になったので、今年は栄養士を活かした給食業務に専念しています。給食の献立づくりや運用などがメインの仕事ですね。今は、2017年4月に開園する「みんなのみらいをつくる保育園」の調理に関わる準備にも携わっています。

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-調理や栄養に関わる仕事をしたいと思ったきっかけはなんですか?

「保育園で調理や栄養に関わる仕事がしたい」と思うようになったのは、大学時代にしていた塾講師のアルバイトで出会った子どもたちがきっかけです。アルバイトでは、小学校低学年から高校生まで幅広い年齢の子どもたちと関わってきました。

子どもたちと関わる中で驚いたこと。それは「旬ってなに?」「ほうれん草と小松菜の違いが分からない」など食への基本的な知識が全くない子どもたちや、1日の食事のすべてをお菓子ですませてしまう荒れた食生活の子どもたちが多かったことです。

-そんな子どもたちと出会って、何か考え方は変わりましたか?

次第に「この子たちが小さいときに、食について伝えられていたら何か変わっていたのではないか」と思うようになりました。乳幼児期への関わりは、子どもたちの基盤をつくることにつながります。

離乳食という子どもが初めて固形物を口にするところ、つまり「食の原点」から関われるところが保育園の魅力でもあり、やりがいでもあると思います。「食」を通じて、子どもたちの基盤を一から作っていきたいと考え、保育園で働くことを目指すようになりました。

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子どもたちの顔を思い浮かべながら作る給食の献立

-実際に栄養士として働いてみて、どんな時にやりがいを感じますか?

私は業務の中で、献立や食育活動を考えたり、保護者への相談業務を行なったりしています。

保育の現場を見に行くことが多く、色々な子どもたちの動きを俯瞰して見る機会に恵まれているのも魅力だなと思います。「この子たちが野菜を好きになるにはどうすればよいかな?」など、子どもたちの顔を思い浮かべながら献立や食育のプランを作れるのが楽しいですね。

うまくいかないこともありますが、子どもたちの「おいしい!」の一言や楽しそうに食育活動をしているのを見られることが一番のやりがいでもあり、自分の元気の源になっています。

また、スタッフや保護者の支えになれるのも嬉しいです。離乳食で悩んでいるスタッフに「こんな風に硬さを変えてみてもいいんじゃない?」とアドバイスすることもあります。スタッフや保護者へのアドバイスによって肩の荷が下りたり、子どもたちにとっていい影響があることがやりがいですね。

「今日のご飯はなあに?」小規模園だからこそ生まれる園児との会話

-「おうち保育園」の調理スタッフとして働かれた経験もあるそうですが、働いてみて感じたことはありますか?

園児との距離が近く、顔や名前を覚えてもらえていたことが印象的でした。園児との「今日のご飯はなあに?」という会話は日常茶飯事でしたね。、子ども達がごはんを食べている様子を見に行く。食事の様子を見て「次はこの子にこういう風に切ってあげよう」と調理に活かせることもあります。

保育スタッフに対して「〇〇ちゃんは飲み込みづらそうだから、”とろみ”をつけてみるのはどうかな?」など園児一人ひとりに合わせた提案をすることもありました。私だけでなく、おうち保育園で働く他の調理スタッフも「保育スタッフと一緒に園を作り上げたい」という意識を持っている方が多いですね。

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子ども自身が「今日のおやつ」を決める。食育を通して、好奇心を育む

-認定NPO法人フローレンスが運営する「みんなのみらいをつくる保育園」の開園にも関わっているそうですが、この園で実現したいと思っていることはありますか?

みんなのみらいをつくる保育園の保育目標を見た瞬間、ビビッときたことを今でも覚えています。「私が栄養士として、一番やりたかったことだ!」と思ったんです。

保育目標の1つとして「”好奇心” ”冒険心”のある自分らしい子ども」という目標があります。「好奇心」「冒険心」という言葉が特にぐっときましたね。

例えば、子ども達自身が「今日のおやつ」を決められたらいいなと密かに考えています。「しろくまちゃんのほっとけーき」や「からすのパンやさん」など、絵本に出てくる料理を一緒に作るのも面白いですね。できる範囲で、子ども達の好奇心に合わせた調理や食育をしていきたいです。

私自身が自分の幼少期に「食」を通じた家族との関わりで、好奇心の芽を育ててもらいました。それが今の仕事にもつながっています。だからこそ、子どもたちのやりたいことを尊重していきたいです。

-調理をする上で心がけていることはありますか?

食育は「保育」の中の一部。だからこそ、保育スタッフと連携して保育目標ともつながる食育をしていきたいです。

今年のクリスマス会ではおやつにカップケーキを出したんです。調理スタッフが果物を用意しておき、カップケーキの上の飾り付けは子ども達にお任せ。子ども達が好きな果物を選んでカップケーキに盛り付け、保育スタッフと一緒にその様子を見守りました。

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休みの日は旅行や趣味でリフレッシュ!普段から楽しむことが「食育」の秘訣

-「保育目標とつながる食育」をする上で工夫されていることはありますか?

まずは私自身が毎日を「楽しむ」ことが、大切だと思っています。

私は旅行に行くのが趣味なので、長期間のお休みを取って、つい先日も沖縄に旅行に行ったり、海外旅行にも毎年必ず行っています。フローレンスは元々お休みが多く(※2016年度は年間休日129日)、土曜出勤をした時には必ず平日に振替休日が取れるので、常にリフレッシュした状態で子ども達と向き合えます。

また、フローレンスは社内の部活動がとっても盛んなので、業務が終わった後に部活動に参加することもありますね。音楽部で歌ったり、ダンス部で踊ったり、時にはサッカーや野球もしたり。業務時間以外でも充実した毎日を過ごしています。


大切なのは「子どもの視点」。日々の関わりから豊かな食体験を

-保育園の食に携わりたいと思っている方に向けて、一言お願いします!

調理スタッフの役割はただ「食事を作ること」だけではなく、「子ども達の食の基盤をつくること」だと思っています。それは、子ども達との日々の関わりや食育を通じて、豊かな食の体験の積み重ねをサポートするということだと感じています。

思い通りにいかない時は、子どもの視点を大切にして「この子達だったらどう思うかな?」と常に考えるようにしています。

働く場所が異なっていても、食に携わる者同士でお互いの取り組みを共有し合い、高めあっていけたらいいなと思います。子どもたちの未来に、「食」で働きかける方が増えていくと嬉しいです!


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スゴいい保育編集部
「スゴいい保育」を通じて保育という仕事の素晴らしさを伝えていくことにチャレンジするチーム。日本中の色んな「スゴい!」「いい!」保育を日々探し、みなさんに紹介します。

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