本部での仕事、毎回異なるお宅への訪問、保育の世界がどんどん広がっていく【インタビュー】

本部での仕事、毎回異なるお宅への訪問、保育の世界がどんどん広がっていく【インタビュー】

【プロフィール】
進藤典子さん1976年生まれ。短期大学を卒業後、乳児院で15年勤務。2013年にNPO法人ノーベルに転職。現在は保育スタッフの面談や研修を行うとともに、病児保育スタッフも担っている。休日にはドライブに行くことも多い。

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(写真右から3番目が進藤さん)

ずっと気になる存在だった、病児保育の世界へ

-以前はどのようなお仕事をしていたのですか?
短大卒業後、乳児院で15年働いていました。もともと発達障害の子たちの作業所を探していましたが、乳児院の方から声をかけてもらいあれよあれよという間に乳児院に就職が決まったんです。乳児院で働いているときに、たまたま東京で病児保育を行っている認定NPO法人フローレンスをテレビの特集で見かけて、病児保育という分野はずっと気になってはいたんですが、当時は大阪に訪問型の病児保育の仕事はなかったんです。

でも、ちょうど乳児院を退職した際に大阪で訪問型病児保育をやっているNPO法人ノーベルを見つけて、すぐに応募しました。大阪にも訪問型病児保育があるんだなと思って。最初は経験を積むために、ノーベルと平行して保育所と病児保育施設でも働いていたんですよ。

本部での仕事、毎回異なるお宅への訪問。保育の世界がどんどん広がっていく

-ノーベルで働き初めて実際どうですか?
ノーベルで働き始めてから3年くらいになるでしょうか。もちろん、今はノーベル1本で働いています。仕事の割合としては、本部の仕事が3分の2くらい。保育スタッフの面談や研修など保育スタッフをサポートする仕事をしています。残りの3分の1は、保育スタッフが足りない時に保育に出たりしてますね。

保育で毎回違うお宅に行くことに抵抗があるという方もいらっしゃると思いますが、私は最初から特に抵抗はありませんでした。前職の乳児院では、初めて来るお子さんにはすごく拒否されることもよくあったんです。虐待などがあり、乳児院に入ってきた子はなかなか心を開かないという子も多かったので。そのような経験もありましたので、毎回違うお宅に行き保育をすることには抵抗はありませんでした。

前職での経験がいきた、病児保育

-印象的なエピソードなどはありますか?
レスキュー(病児保育)に出るときは発達障害の子を主に担当してきました。前職の乳児院では、退職するまで重度の身体障害の子を見ていたので、そういった経験をしていて良かったなと思っています。乳児院では、部屋に2~3人は身体障害の子や重度のアレルギーの子がいて、親代わりにずっと見ていたので、経験もついてきたかなと。
以前、そういうお子さんのお母さんに「自然に受け入れてくれたので、安心しました」と言っていただいたことが印象に残っています。そういっていただいた時にはこの仕事のやりがいも感じます。

-これは鉄板!などの保育スキルがあれば教えて下さい笑
私の保育の得意ワザは、やはり製作です。どの子も「やりたい!」と言って、楽しんでくれますね。何か1つ折り紙を作ってから持っていくことや、途中まで折って持っていくこともあります。あえて最後の一折を残して持って行って、子どもに完成してもらうこともあるんですよ。
あと、年齢の高い子にはコマもおすすめです。はまってくれることが多いんですよ(笑)
まだ小さな子には鉄板のアンパンマンやメダルなどを作りますね。みんな喜んでくれます。

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スタッフと深く関わるには、「まず聴く」ことから始める

-今の仕事でやりがいを感じることを教えて下さい
今は保育中心のお仕事ではなく本部のこともしているので、保育スタッフと深く関われるということにもやりがいを感じています。もともと人と話すのは好きなので、他の保育スタッフに悩みを打ち明けてもらえた時に、特にやりがいを感じますね。面談も1人でやっているんですよ。他のスタッフにも相談しながら、基本的には私一人で13~14名のスタッフ面談を行っています。
前職では、目の前の子どもの保育に集中をしていたので、周りのスタッフと深く関わるということを私自身してこなかったんです。ノーベルではスタッフの面談などをするようになって、「まず聴く!」ということを大切にしています。一方的にこちらから話すのではなく、まずスタッフの話を聴いてからそれに応えるようにしていきたいんです。

マンツーマンならではの、保育園ではできない保育ができる

-訪問型病児保育に興味がある方にメッセージをお願いします
たくさんの子どもがいる保育とはまた違う、少人数で「じっくりと子どもたちと関わりたい」という思いを持っている保育士の方もいると思います。保育園ではマンツーマンで遊べることは少ない思うので、ぜひ保育士のみなさんには経験を活かしてじっくり関わる保育を楽しんでほしいですね。ゆったりと寄り添った一日は、子どもたちへのサポートであると同時に、親御さんたちへのサポートにもなっています。保育園や施設の保育では味わうことのできない、やりがいのある仕事です。

【団体概要】
NPO法人ノーベル
2009年設立。関西発となる「共済型・地域密着型」病児保育事業を展開。ソーシャルプロモーション事業部で、メディアや講演で病児保育問題の認知、子育て支援の現状を発信している。
〒540-0026
大阪市中央区内本町2-4-12 中央内本町ビルディング701


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著者プロフィール

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スゴいい保育編集部
「スゴいい保育」を通じて保育という仕事の素晴らしさを伝えていくことにチャレンジするチーム。日本中の色んな「スゴい!」「いい!」保育を日々探し、みなさんに紹介します。

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