「保育の中に看護をどう入れていくか、毎日試行錯誤。でもそれが楽しい」障害児保育園看護師の想い

「保育の中に看護をどう入れていくか、毎日試行錯誤。でもそれが楽しい」障害児保育園看護師の想い

【プロフィール】

小山真澄(こやま ますみ) 看護師資格取得後、国立の総合病院にて6年勤務、その後世界青年の船などの国際交流事業に看護師として勤務。また添乗看護師としての勤務を通し、他職種との仕事を経験。2014年に認定NPO法人フローレンスに入社。障害児保育園ヘレン荻窪で勤務。

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ヘレンには開園当初から勤務しています。

ヘレンに勤務していて思うのは、子どもの成長を本当に身近に感じられるということ。言葉の出ていなかった子が他の子どもと会話できるようになったり、入園時は立位を取るのも難しかったのに、今では走り回っていたり。子ども達の日々の成長に感動すると同時にその内在する力に驚いています。

フローレンス入社時は、『自分が障害児を看る』という意識を持っていたのですが、実際に仕事を始めると『成長の中にナースとして必要な関わりをしている』という意識に変わりました。

それを保育スタッフにも伝えていて、保育の中にどのように看護を入れていくか、保育スタッフと一緒に考えながら過ごしています。

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私の職務は”看護”ですが、75%くらい”保育”をしている気持ちです。毎日、保育の中にどのように看護を入れていくか試行錯誤ですが、それが楽しい。自分がいい意味で試されているように思っています。

ヘレンの看護師の仕事は病気と向き合うわけではなく、その子の生活や環境と向き合うと考えています。そのように考えるからこそ、より子どもひとり一人に深く入っていかれるところが病院とは違った楽しさです。

子どもの見方も、全人的に子どもを見る(その子のおかれた環境、そのうちの一つに疾患が含まれる)ことも病院とは違った見方だと思います。

また、多職種と関わりながらできる仕事なので難しい部分もありますが、その子にとってよりよいものをチームで目指すことができてて、自分の意見も反映させられることが楽しい。規模が小さく、保育スタッフとの距離も近いからこそ、それができる。

難しいところは、障害児に対する考え方の違いがあること。自分としては、子ども達に『いろんな経験をさせたい』と思っていますが、穏やかに落ち着いて日々を過ごすことが大切と思っている人もいて、価値観を共有していくのが難しい。いろんな考えを尊重した保育にしていくのがよいのかなと思います。

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1日のスケジュール

8:00 出勤、重症心身障害児の通園バスに乗車。または、園内で子どもの受け入れ。または、個別送迎

9:30 登園後の子ども達の体調を確認し、必要な医療的ケアを行う。保育中、医療的ケアが必要ない場合は、保育に参加

11:00 昼食時間。経鼻経管栄養、胃ろうの注入、持参しているお弁当の食事介助、片付け

12:00 午睡準備、寝かしつけ。午睡中の体調管理と看護記録記入、看護師ミーティング。※お昼休憩は午睡時間に交代で取る

15:30 子ども起床、おやつや水分補給の準備、解除、片付け。午後の保育に参加、必要な医療的ケアを行う

16:00 通園バス乗車、または園内で必要な医療的ケアを行う

17:00 勤務終了


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スゴいい保育編集部
「スゴいい保育」を通じて保育という仕事の素晴らしさを伝えていくことにチャレンジするチーム。日本中の色んな「スゴい!」「いい!」保育を日々探し、みなさんに紹介します。

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