「そんな保育もあるのか」という気付きが保育をもっと面白くする!

「そんな保育もあるのか」という気付きが保育をもっと面白くする!

保育に携わる皆様、そして、子どもの未来に関心がある皆様に「こんな保育もあるのか」という気付きを提供したい。それができたら、大人にとっても子どもにとっても保育はもっと面白くなるはず!


さまざまな保育現場をもつ認定NPO法人フローレンスのそんな思いから「プロフェッショナル 保育の流儀」企画が動き出しました。


企画の概要はぜひ下記の記事からご確認下さい:

「プロフェッショナル 保育の流儀」開催決定!7月31日(火)@神保町


当イベントでは保育の「正解」を発信するのではなく、さまざまな団体が取り組んでいる魅力的な保育について紹介し、その内容について参加者みんなで率直に話し合います。


先着20名定員で設定していたのですが、想定を遥かに超える方々からお申し込みを頂きました。本当にありがとうございました!


今回は、その現場の様子をレポートさせて頂きます!


「保育の流儀」の実践者によるパネルディスカッション

認定NPO法人フローレンス流の保育を実践する2人によるパネルディスカッションから始まりました。

今回のテーマは、これ!


保育所保育指針が変わったけど、そこで求められることってなんなの?

少人数保育のパイオニア 認定NPO法人フローレンスの保育スーパーバイザーはこう考える。


パネラー①:

保育スーパーバイザー 森永 紗希子

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パネラー②:

保育スーパーバイザー:横山 麻由

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前半は「小規模保育で大切にしていること」についてディスカッションをしました。


当トピックに関しては、小規模認可保育所である「おうち保育園(通称:おうち)」の保育スタッフ、そして園長を経験している横山がメインで話をさせて頂きました。



おうち保育園の保育目標は下記の3つです。


  • 意欲のある子ども

  • 思いやりのある子ども

  • よく食べ よく眠り よく笑う子ども



この目標を実現するために、おうち保育園では子どもとの「愛着関係」をつくることを大切にしています。


おうちの定員は12名の子どもに対し、保育スタッフ4名で手厚い人員配置(※園長含まない)です。


だからこそ、本当に子どもたちひとりひとりに向き合った保育が可能となります


子どもをひとりひとり抱っこしたり、お誕生日はその月にまとめてではなくその子の為だけに祝ったり… こういった交流の積み重ねが愛着関係の形成に繋がっています。


もうひとつ、横山が強調したのが「働きやすさ」でした。


手厚い人員配置に加え、弊会の保育には「ヘルプマン制度」というものがあり保育スタッフが病気だったり有給だったりで休みが必要になった時にその園にかけつけます。


だから、スタッフが気兼ねなく休むことができるのです。


また、就業中に休みをしっかり取ることの大切さも強調していました。


お昼休みはしっかり1時間休む。

残業は原則しない。するにしても絶対に申告する。

持ち帰り仕事は厳禁… 等々。


なぜこういうことに拘るのかというと、子どもひとりひとりにしっかり向き合うには保育士自身にも心の余裕が必要であると考えているからです。


心に余裕があるからこそ、子どものちょっとした変化に気がつくことができます。


だからこそ、子ども安心してまさに第二の「おうち」にいられるような気持ちでいられるのだと思います、と横山は話していました。






後半では「今後、挑戦しようとしていること」について話をしました。

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こちらでは、フローレンス初の認可保育園である「みんなのみらいをつくる保育園(通称:みんつく)」の保育プログラム導入・監修・指導・相談を担ってきた森永が主な話し手となりました。


みんつくは2017年に設立されたのですが、その保育目標は下記の通りです:


  • 「好奇心」「冒険心」のある自分らしい子ども

  • 他者を思いやることのできる子ども

  • 自分で考え、表現し、そして行動できる子ども


この目標を実現するためにみんつくが実践しているのが「指示・命令しない保育」です。


森永含め現場スタッフ一同、もちろんそんな保育は全員未体験ですから最初はとても悩んだそうです。


なにせ「指示・命令」しないわけですから、子ども達が思ったように動いてくれない…


そんな中でどうやって園を運営していけばよいのか…!


こういった状況に光明が指したのが、「指示・命令」ではなく保育スタッフも自分たちの気持ちを子どもたちに伝えていいんだ、ということに気がついた時だったそうです。


子どもにも気持ちがあるように、同様にスタッフたちにもある。


だから、それを率直に伝えればよいのだと。





このみんつくの保育に関して、もうひとつ会場が盛り上がったトピックがありました。


ピースフルスクール・プログラム」です


森永は「ピースフルスクール・プログラム」の本場オランダに出張しそのエッセンスを学び、みんつくで導入しました。


ピースフルスクール・プログラムのエッセンスはケンカをしないことではなく、ケンカが起きることを前提としています。


なぜなら、自分が大切にしたい気持ちがあれば、同じように相手にも大切にしたい気持ちがあって、それがぶつかってしまうことは起こってしまうからです。


大切にしたいのは「自分と、相手の気持ち」、どちらも尊重されるべき大切な気持ちであることを知り、その上で解決をはかることです。まさに、みんつくが大切にしている保育目標と相性はぴったりで、現在も日々のみんつくの中で実践されています。





参加者同士で率直な話し合いタイム


森永・横山のパネルディスカッションを聞いた後は参加者同士で話し合う時間を設けました。


「今日の話を聞いて、これからの子どもたちに必要だと思うことはなにか」をテーマに参加者同士、率直な意見交換を行ったのですが、これが大盛り上がりでした!

実はこれも「プロフェッショナル 保育の流儀」で大切にしたいと考えていることです。まったく違った背景をもつ人と保育について語り合うことによって、さまざまな気付きを得ていただくことが狙いです。

いろいろな気づきを得て頂きたいと考えていたので、テーマもあえて抽象的な内容に設定しました。

さらにたくさん話す機会が持てるように4~5人のグループにしました。曖昧なテーマを少人数で話すことで、一人ひとりの考え方や大切にしていることの違いが際立ち、より保育のあり方を考えるきっかけになるのでは、と考えたからです。


実際にアンケートでも「普段話しを聞くことが出来ない他園の保育士さんやまったく違った職業についている方の保育観を聞けて本当に面白かった」というコメントを頂き、この時間がいかに有意義だったかを感じました。


最後に、各グループでどんな話し合いがなされたのか代表の方に全体に共有をして頂き、大盛り上がりのうちに第1回のイベントを終了しました。


気付きは人と人とのつながりから。オンラインコミュニティを運営しています。


冒頭でもお伝えした通り、この「プロフェッショナル 保育の流儀」の目的は、保育に携わる皆様に「こんな保育もあるのかー」という気付きを提供することです。

このイベントは今後も継続的に実施していく予定ですが、3~4ヶ月に1回くらいの頻度とする予定です。

しかしそんな頻度ではせっかくの出会いが薄れていってしまうかもしれません。

保育に限らず、人生の気付きというのは人と人とのつながり、コミュニケーションから生まれるものだと思っています。

だとすると、このままにしておくのはもったいないですよね!


ということで、「プロフェッショナル 保育の流儀」のFacebookコミュニティを作成しました。


【Facebookグループはこちら!!】



この場を通じて、参加者の皆様どうしのコミュニケーションはもちろん、当イベントの告知、や保育に関わる有用な情報発信などを行っていく予定です。


もし興味がある方はぜひ申請を頂きたいと思います。

 コミュニティの目的は「こんな保育もあるのか」という気付きを得ること。そのために、参加者どうしの繋がりを確保することです。それ以外の一切の利用目的を禁止しています。ルールはの厳守をお願いしています



なお、次回のイベントについては鋭意企画中であります!


詳細が決まりましたらFacebookコミュニティ、及び、SNSなどを通じてすぐにご報告させて頂きます。


今後とも、よろしくお願い致します!



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