【台湾発】国際ISO9001認定園に見る、専門家による「教育」と子どもの「主体性」の最適なバランスは?

美食天国といわれる台湾に主人の仕事の関係で転居して3年。5歳と3歳の男の子を育てているライター、おおたこ@台湾です。台湾は、屋台から有名店まで中華や日本食をはじめとする様々な国の料理がそろい、食を多彩に楽しめる国。日本の商品がたくさん並び、日本語を話す台湾人も多く、日本人には住みやすい印象の台湾ですが、育児をしていると、日本との違いを時々実感します。今日は日本とは少し違う台湾の幼稚園事情を紹介したいと思います。

私立の保育料は公立の7~8倍!

台北の高級住宅街に「童欣幼児園」はあります。台湾は幼保一元化されていて、家庭に保育できる人がいる・いないに関わらず2歳から6歳までの子どもが「幼児園」に入園できます。同園では、主に台湾人の子ども向けに中国語で園生活を送るクラス「台湾班」、日本語で園生活を送る「日本班」、昨年新設された英語で園生活を送る「英語班」があります。息子は日本班のクラスで園生活を送っています。

台北の市立幼児園の保育料は、2,500元/月(約9,000円)程度※ですが、私立は親からの強い要望により教育に力を入れている園が多く、内容を盛り込んでいるため保育料も高め。13,000元〜(約4万5000円)が相場です。同園は、外国語班を抱えているため17,000元ほど(約6万円)。台北市内では20,000元強というところも少なくありません。

“個性尊重とのびのび保育の教育方針”で国際ISO9001認定。でもカリキュラムはぎっしり。

同園は“個性尊重とのびのび保育の教育方針”を採用しているとして、台湾教育省より国際ISO9001の認定をされています。そんな幼稚園でありながらも、ここは台湾。親の意向を受け、カリキュラムびっしりの一日を過ごす台湾班について紹介します。

▼台湾班の大班(年長さん)のある一日

お勉強.jpg

8時〜9時

登園。朝の体操

9時20分

テーマ活動(道徳、体遊び、言葉遊び)時間

10時20分〜

道徳・人間関係を考える時間

11時〜

英語学習

11時30分〜

給食・整理整頓の時間

12時〜14時

お昼寝タイム

14時〜

数あそび

14時50分〜

おやつタイム

15時10分〜

音楽活動

16時〜

帰りの準備

専門家に「教わる」ことで伸びるセンスと、子どもたちの「主体性」とのバランスが肝。

日本と大きく違う点は、音楽や体操、バレエ、英語、芸術など、ほぼ全てのカリキュラムを外部の先生が教えていること。日本でも放課後、外部の先生による習い事の時間を設けている園もありますが、台湾の私立幼稚園の多くは、通常の保育時間に外部の先生を招いています。同園でもそうしていて、一日にさまざまな先生が入れ替わり立ち替わりしています。
このシステムのいい点は、各専門の先生に教わることで、その分野のセンスが伸ばせる点です。芸術では、先生のお手本を見せてから子どもに描かせていることも。日本の幼稚園では、基本的に子どもに自由に描かせるので、最初はとても驚きました。が、見方を変えれば、その分野に興味のある子や、これから小学校に進級する子にとって、専門の先生からの意見は学ぶ部分も多いでしょう。

一方、専門の先生を外部から招いていることで、保育料が日本に比べ高いのが悩ましい点です。また、「子どもの主体性や想像力を育む」ことは、幼児期の子どもを保育する上で大切なことなので、専門の先生が「教える」スタンスとのバランスが、難しい点だとも感じています。
それでも同園では、「創造性を育む」、「生活習慣・礼儀を身につける」、「幼児に必要な体力をつける」ことを理念として掲げているため、他の私立に比べ、「教育」に重きを置きすぎていない点が魅力でもあります。

保護者が私立幼稚園に「教育」を求め、それに応える園の現状と保育料が高額なことを紹介しました。外国人班を持つ同園だからこそ、さまざまな国籍の保護者や子ども達がいて、保育に対する考え方の違いを日々実感します。保護者としてはいいと思う点と戸惑う点と両方ありますが、多国籍な園児たちとそれぞれの文化に触れながら、一緒に楽しく園生活を送る子どもの様子はとても誇らしく、微笑ましい光景です。これからも温かく園と子ども達を見守って行ければと思います。


文:おおたこ

日本で編集業5年、結婚を機に東南アジア地域での営業事務を経て、現在は台湾で主婦業、育児業のかたわら様々な媒体で記事制作、広告制作に携わっている。

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世界・海外の保育チーム
世界・海外各国の「スゴいい」保育に目を向けることで、逆に日本の「スゴいい」保育を照らすことにチャレンジするチーム。今日明日も”世界・海外の保育チーム”はアンテナをピンと張り、海外の保育をみなさんに紹介します。

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