【ポーランド発】先生の休む権利を支えるシンプルだけどスゴいい仕組みとは!?

ジンドブレ!ポーランドの首都ワルシャワで4歳児と1歳児の子育てを経て、今年日本へ引越してきました。まだ日本の保育知らずな私達ですが、そんな中でもこれは日本とは違うかも?!と思ったポーランドの保育園の先生たちのお休みを確保する仕組みとその背景について、今回お伝えしたいと思います。

ワルシャワの保育園の開園時間

まず、ポーランドの保育園は、0-2歳児までと3-5歳児まで二つに分かれます。私たちの場合は、1-2歳でいわゆる私立の無認可園、3歳から公立保育園に子供を通わせました。開園・閉園時間は無認可の保育園は個々に設定、公立保育園も各園それぞれで少しずつ違いがありますが、私たちの子供が通った保育園ではそれぞれ0-2歳児保育園が7時―18時半、3-5歳の公立保育園が7-18時でした。また、土日や祝日はお休みです。

夏休みの仕組みがスゴいい!!

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まず、日本と違うところは、閉園時間には基本的に文字通りの閉園時間であること!つまり、電気も消して門も閉めて先生もスタッフも帰ってしまう時間なんです。つまり、親はその大体30分前くらい前には子供をお迎えに行くことが期待されています。ただ、16時台のお迎えの家庭が多いようなので、保護者大きな負担になっていることはないようです。また、多くの園児の欠席が予想される連休の間や前後の日は、事前に出欠確認をすることで、食事や職員の人数を調整しています。

一番スゴいのは、公立保育園の夏休みの仕組みです。7-8月の夏休み期間は、家族旅行や帰省をする家庭も多いです。また、保育園の先生や職員も私たち親と同様に法律で定められた有給があり休暇を楽しみにしています。他方で、各家庭の休暇日程以外に保育園に休まれてしまうと困ってしまうのが働く親の悩ましいところです。

そこで、行われているのが近隣の保育園の2週間ごと当番制。夏休み2か月を4期間に分け、必ず近隣どこかの保育園が開いていて、そこにいつもの園児だけでなく近隣保育園に通う園児も受け入れます。園児は自分の家庭の休暇以外の日程は、通常外を含めた複数の保育園に通うことで、親が働いている間も居場所を確保できます。そして、保育園の先生や職員は自分たちの保育園が受け持つ2週間以外は閉園期間として休暇や保育園のリノベーションや整備にあてます。

両親の柔軟対応が必要。祖父母のサポートないと厳しいかも?

近隣の保育園での連携システムまで作り上げ、先生と親双方の休みの確保に余念がない、といえるポーランドの保育。もちろん親にとっては難しい点もあります。

上のような、正規の開園時間のきまりだけではなく、連休前には早めに迎えに行く(大体15時位)、平日にある行事のあとはそのまま連れて帰る(午後からの行事後15時位)、という慣例があるため、こういった日は半休を取るか、あるいは多くの家庭では祖父母のサポートでやりくりをすることになります。あくまで、慣例・出来れば、というベースではあります。

でも、うちの子だけ2時間一人で先生(うちの子がいなければ帰っていた筈)と待っていました、と言われたり、楽しい行事の後、他の子供たちは親や祖父母と連れ立って帰るのにうちの子だけ残される、という状況に置かれるのは親としてもつらいところです。特に仕事がタイトだったりそう父母の協力が望めない家庭では、もうちょっと、せめて既定の時間内は預かってほしい!と思ってしまうこともあります。

スゴいい仕組みはシンプル。お互いを尊重する姿勢。

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残業なんて考えられない!閉園時間にはすぐ帰る、休暇もちゃんと取る、というポーランドの保育。その背景には、年間有給日数が多く、休む権利がある、という考えの共有が親(とその職場)・保育園にあるのだと思います。

もちろん、もうちょっとぎりぎりまでちゃんと預かって欲しい、と働く親として感じることもあります。でも、何人かの先生は保育園の一歩外を出れば働く親、家路を急ぐのは自分の子供のお迎えや家事があるから、ということを私たちは知っています。働く親でなくても、それぞれの生活があること、それを大事にする、確保する、という理解が保護者と保育者の相互にあるのだと思います。

そのおかげか、私たちの保育園には自身も長い経験のあるベテランの先生や今まさに自分も子育て真っ最中の先生が多くいます。そうした先生・職員方の親身なアドバイスや共感は、新米の親である私たちにとって、時には保育時間以上のサポートとなりました。先生も保護者もお互いに生活がある、ということを理解し協力しあう中で、子供たちを育てていける有難さを教えてくれたスゴいい!ポーランド保育でした。


文:矢野寛美

大学卒業後、渡欧。ポーランドはワルシャワで就職、2児を出産・子育て。


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世界・海外の保育チーム
世界・海外各国の「スゴいい」保育に目を向けることで、逆に日本の「スゴいい」保育を照らすことにチャレンジするチーム。今日明日も”世界・海外の保育チーム”はアンテナをピンと張り、海外の保育をみなさんに紹介します。

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