介護の経験で障害児のママとパパの笑顔を支えたい【訪問型障害児保育】

【プロフィール】
中村昌美(なかむら まさみ)1979年生まれ。
おばあちゃんっ子だったことから高齢者介護の道を目指し、介護施設にケアワーカーとして就職。元々興味のあった障害児者介護のフィールドに身を移し、児童発達支援管理責任者も経験。

障害児の親御さんを支えたいという思いから、認定NPO法人フローレンスの障害児訪問保育アニーに転職し、障害のあるお子さんの担任をしている。

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障害児訪問保育アニーで、担任としてお子さんを見守る中村さん。

10年以上高齢者介護の現場で活躍した中村さんががなぜアニーに飛び込んだのか、思い描く障害児の親御さん支援のあり方とは。その障害児保育にかける想いをお届けします。

おばあちゃんっ子が介護の道へ

両親が共働きで、小さいころからおばあちゃんと一緒に過ごすことが多かったんです。だからすごく高齢者が好きだったんですね。

中学生の時におばあちゃんは亡くなりましたが、看護師さんや看護助手の方が、すごく良くしてくれたんです。おばあちゃんにも私自身にも。そこで介護の仕事をしたいと思うようになりました。

介護施設ではケアワーカーとして、利用者さんたちの日常生活の援助をしていました。介護が好きだから、寝たきりの人が多い施設を自然と選んでいました。自分の言いたいことを伝えられない方が多いなかで、自己満足にならないようにご家族のご希望を聞きながら介護をやることにやりがいを感じていました。

障害児・者という新しいフィールドへ

しかし夜勤の多さをきっかけに介護職を離れることになりました。スタッフが足りないから夜勤が月に7、8回あたりまえに入っていて、バランスがとれなくなったんです。寝る時間がわからなくなり体調を崩したので、昼間だけの仕事をしようと。

そこで前々から興味を持っていた障害児・者の介護にチャレンジすることにしました。高齢者は元々動けていた方が動けなくなって、そこをサポートするところが大きいですよね。反対に障害児・者はもともと動けない状態の方も多いので、その介護とはどういうものなんだろうと。関わったことのない人と関わりたいという思いがありました。

障害児のお母さんの悩みに気がついた

児童発達支援管理責任者として関わった発達支援施設では、子どもの支援よりもお母さんの支援が中心でした。そこでお母さんたちがとても悩んでるんだということに気がつきました。

幼稚園から「(通うのを)やめてほしい」と言われて、行き場を失う発達障害児のお母さんたちが多くいました。なぜこんなにも閉ざされているんだろうって感じたんですね。

それに高齢者介護の目標は現状維持だけど、子どもには無限大の可能性がある。だから親御さんたちは一生懸命なんです。「どうにかなるんじゃないか」という希望をたくさん抱いている。そんなお母さんたちの支援がしたいと強く思いました。

送迎で一歩踏み出せた親御さんへの支援

児童デイサービスでは重症心身障害児のお預かりと送迎をしていました。これまではお子さんについて施設での様子しか知らなかったのですが、おうちでどう生活しているのか興味がありました。だから送迎を行うことで「一歩入り込めた」という感覚がありました。親御さんとも発達支援施設の時とは違う「普通」の話ができたんです。

お子さんについての相談だけでなく、ちょっとした世間話ができてよかったと言ってくださったこともあります。親御さんの支援をするというのはこういうことなのかなと思い始めました。

「親御さんを支えたい」に共感

ちょうど転職を考えているときに、検索でアニーのホームページを見つけました。一番魅力に感じたのは、「親御さんを支えたい」という言葉が出ていたこと。他の障害児に関わるお仕事では、「親御さんのサポート」と出ているところがあまりなくて、そういうところがすごくいいなと思いました。

お子さんに合わせた保育

現在は2歳になったばかりのお子さん「はるくん」の担任をしています。ご自宅まで訪問して、親御さんの出勤から帰宅までお預かりします。

午前中は公園や児童館にお散歩に行きます。児童館に行くと先生たちが「はるくん来た!」って迎えてくれます。はるくんは児童館のアイドルなんです。先生たちに声をかけてもらうことで、はるくんにもいい刺激をいただいています。

昼食介助の後はお昼寝をします。午後はリハビリの先生が教えてくださった活動をしていることが多いです。その後おやつを食べてゆっくりしながら親御さんの帰りを待つ感じですね。緊張が強いお子さんなので、眠っているときに体を動かしたり、ストレッチをしたり、その日の体調に合わせて活動内容を変えています。

多職種との連携で活きる介護の経験

介護施設で働いていた時は、リハビリの理学療法士さんや看護師さんと相談する場面が多くありました。実はアニーの保育でも同じです。マンツーマンの訪問型でも、多職種の方と密に関われると知って驚きました。多職種の方からこんなにもアドバイスをいただけるとは想像していなかったですね。こういった多職種との連携の場面で、介護の経験が活きていると感じます。

はるくんの笑顔を引き出したい

高齢者は自分が好きな事をやることでやる気や楽しみが引き出せますが、お子さんの興味を引き出すのはとても難しいと感じています。でもそこがやりがいでもあるんです。

今お母さんは、はるくんが笑うことを目標にしています。だからどうやったらはるくんが笑うかなって毎日考えながら過ごしています。好きな遊びはどれかなとか、好きな感覚はどれかなとか。

私には保育の経験がないので遊びの引き出しがないんです。だから保育経験のある他の保育スタッフに教えてもらいながら、それをはるくんにどう活かせるかを考えています。今はるくんが「好き」と思えることを探し中です。

ママとパパの笑顔のために

これからはアニーをもっと拡大できたらいいですね。困っている親御さんたちを助けたいです。子育ての悩みって聞いてもらうだけですっきりすることもあると思うので。そういうことしかできないかもしれないけど、肩の荷が降りるような手伝いができるといいなって思います。

保育の目標は、もちろんはるくんに笑ってもらうこと。それがママとパパの笑顔に繋がると思うので、そこは頑張りたいです。

※インタビューは2016年のものです


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スゴいい保育編集部
「スゴいい保育」を通じて保育という仕事の素晴らしさを伝えていくことにチャレンジするチーム。日本中の色んな「スゴい!」「いい!」保育を日々探し、みなさんに紹介します。

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