大規模園から定員12名の小規模園へ。一人ひとりと家族のように向き合う毎日を【インタビュー】

【プロフィール】
飯島 真梨(いいじま まり) 新卒で大規模保育園に入社し、0~2歳の担任業務を約8年経験。2015年4月より、認定NPO法人フローレンスの小規模認可保育所「おうち保育園」おおいまち園に勤務。2016年7月からは主任に就任し、園長不在時の園運営やスタッフフォローを行なう。

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「どんな保育がしたかったのか」自分を振り返り、小規模保育の道へ

-おうち保育園に入社するまでのキャリアと、入社されたきっかけを教えて下さい。

保育士を養成する4年制大学卒業後、新卒で公立の大規模保育園に入社し、7年間働いていました。2015年4月からはおうち保育園という小規模保育園で働いています。

新卒で入った園は職員も保護者も優しくて、すごく恵まれた職場でした。しかし、大規模保育園では、1日、1ヶ月、1年を通して対応しなければいけないことが多く、いっぱいいっぱいになってしまったんです。

また、7年間ずっと同じ職場にいると周囲にあまり変化がありません。そうすると徐々に「自分の苦手なことはほかの先生に頼っても大丈夫」みたいな甘えが芽生えてしまって。今後、自分のスキルアップができないのではないかと思い、もう一度自分を鍛え直そうと思いました。

自分自身を振り返り、「本当はどんな保育をしたかったのか」と考え直したときに、今までやったことがない小規模保育にチャレンジしたいと思うようになりました。小規模保育を検索したときに、一番最初に見つけたのが、おうち保育園。ホームページを見ただけでも楽しそうな雰囲気が伝わり、ここで働きたいと思い入社を決めました。

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-保育士を目指したのはいつからですか?

高校生の頃ですね。先生から「あなたは歌も踊りも好きだし、それを子どもたちと一緒に楽しめる仕事を選んだら天職になるんじゃない?」と言われたんです。母が小学校の先生だったため、子どもと関わる仕事が以前から気になっていました。先生からの一言もあり、保育士を養成する4年制大学に進学することにしました。

保育士志望の学生が多い大学だったため、大学に通えば通うほど「保育園の先生になりたい」という気持ちが段々と強くなりました。勉強も実習も一生懸命頑張った4年間でした。

定員12名。毎日必ず「子ども全員」と向き合えるのが少人数の魅力

-実際に働いてみて、大規模園と小規模園に何か違いを感じましたか?

以前働いていた大規模園では、0~5歳までのクラスがあり、0~2歳までの子どもたちは、合わせて約50名いました。それに対して今勤めている小規模園は、0~2歳まで、全体で12名のみです。子どもの人数がすごく少ないため、毎日必ず子どもたち全員と関わることができます。

もちろん前の園でも、子どもたち全員と関わるように心がけていたのですが「今日あの子とこんなことしかできなかったな」と寂しく思うことが多かったんです。今の園だと、一人ひとりとたくさんの思い出が残せるため、すごく満足しています。

また、スタッフとの関わりにも余裕があるように思います。ゆったりとした雰囲気の中で、スタッフみんなで一緒に「こんな行事やってみよう」と話し合える関係がつくれています。今の園にきてからは「絶対に〇〇やらなきゃ」と追い込まれる感覚がなくなりました。

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「先生のままでいいんだよ」ありのままを受け入れてくれたスタッフの存在

-おうち保育園で働いてみてよかったところはなんですか。

スタッフとの巡り合わせが本当にいいなと思います。みんな明るくてすごく優しいので、自分の意見がすごく言いやすいです。

転職して1年目は、前の園での自分の保育が身についてしまっていて、なかなか小規模保育園の動きにうまく馴染めなかったんです。悩んだり、葛藤したりしたのですが、それも含めて「先生のままでいいんだよ」とスタッフ全員が言ってくれて。私が今までやってきたことを受け入れてくれてもらえている感じがして、本当にこの園で働けてよかったと思いました。

今の園は小規模で園児の数が少なく、ゆとりがある分、優しい心を持っている人がたくさん勤めていると思っています。最初は慣れるのにいっぱいいっぱいだったのですが、周りのスタッフのおかげで優しい気持ちを取り戻せて、前の園のときよりもっと子どもたちに優しくなれたような気がします。

大規模園のときは、「おもちゃを取っちゃダメ」のような禁止語を使うことも多かったのですが、おうち保育園に入ってからはもっとゆったりとした声かけができるようになりました。そこが小規模の良さではないかと思いますね。

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おうち保育園の運営団体・認定NPO法人フローレンスは、スタッフのことをすごく考えてくれています。園スタッフにお休みがあったときにヘルプのスタッフを手配してくれたり、「悩んでいることがあったら、相談に乗るよ」と親身になって話を聞いてくれたり、本当に頼れる存在です。

本社に研修に行ったときにも、みなさん必ず声をかけてくださいます。「元気?大丈夫?」と言ってもらえるだけでも、「見守ってくれている」という安心感があります。こういった頼れる存在がいると、つまづいても、また起き上がれると思います。

スタッフが子どもの成長を喜ぶとき、子どもたちも嬉しそうに笑った

-やりがいを感じるタイミングはありますか。

子どもたちの成長を目にしたときに、一番やりがいを感じます。昨日まで「寝返り」ができていなかったのに、今日はできるようになったというとき、スタッフみんなで喜んでいます。わたしたちが喜んでいると、子どもたちもすごく嬉しそうに笑うんです。そのとき、本当にこの仕事をしてよかったと思います。

また、子どもが自分のことをすごく好いてくれたり、保護者から「先生がいると頼りになる」などの優しい言葉をかけてもらったりすると、「保育園の先生になってよかったな」と感じます。これからも、そういった気持ちを持ってもらえるように、もっともっと勉強しようと思っています。

-保育中に心に残ったエピソードはありますか?

自分で考えた新しい遊びを活動に取り入れたときに、「楽しかった!!」と子どもたちが言ってくれたときはすごく嬉しかったです。ほかにも、退勤時間になったときに「先生もう帰るね、バイバイ」と言うと、子どもたちが「さみしいなあ」と言ってくれて。思わず、まだ保育園に残りたくなりました。子どもたちの純粋なところが本当に可愛いです。

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第二のおうちを目指して。家族のような眼差しで寄り添う保育を

-保育へのこだわりはありますか?

小さな園のため、おうち保育園を1つの家だと思って過ごすようにしています。園児のことを自分の子どものように思い、叱るときはちゃんと叱るし、嬉しいときや楽しいときは一緒になって喜んでいます。

これは私のちょっとした秘密のこだわりなのですが、他のスタッフのことも、お姉ちゃん、妹など家族のように考えるようにしています。それにより、なんでも相談し合える関係性ができあがっているように思います。

保育士は「まごころ」や「愛情」を次の世代につなぐ仕事

-今後やってみたいことはありますか

子どもたちや保護者の皆さんと関わる中で生まれた「こんなことしてあげたい」「一緒に実現できたら嬉しいな」に対して、スタッフのみんなと一緒にチャレンジできたらいいなと思っています。

-保育士を目指している方に何か一言お願いします。

保育のお仕事は、今まで自分を育ててくれたお父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、地域の人たちから受けた「まごころ」や「愛情」を子どもに渡してあげる仕事だと思っています。「まごころ」や「愛情」を次の世代につなぐべく、ぜひ子どもの成長をお手伝いする仲間になってください。

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スゴいい保育編集部
「スゴいい保育」を通じて保育という仕事の素晴らしさを伝えていくことにチャレンジするチーム。日本中の色んな「スゴい!」「いい!」保育を日々探し、みなさんに紹介します。

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