【南アフリカ発】また行きたい!シンプルでざっくりだけど、子どもに優しく安心、快適に過ごせる育児・保育園生活

ヨハネスブルグの治安問題に緊張しながらも南アフリカで園デビュー。治安の悪さとは裏腹に、育児のしやすさにびっくり

「南アフリカに住んでいました。」とお話すると、必ず聞かれる質問は、「危なくないの?」。答えはもちろん「危ない」です。事例を挙げればきりがないのですが、例えば、道をはさんだ向かいのお友達の家に移動するのも、車を運転します。たった10メートル横断するだけでも、です。絶対に歩きません。

また、日常生活について簡単にご紹介すると、いわゆる白人家庭には住み込みか通いでお手伝いさんが雇われていて、私たちのような外国人家庭にも同じくドメスティックワーカーがついていました。そして代表的な共通言語は英語。育児グッズも欧米メーカーのものが揃っていて、外資のおしゃれなスーパーもあり、食料品も新鮮。アジア食材の品薄さを除けばショッピングも楽しみのひとつといえるほどでした。

娘と体験した園生活、そして長男の出産を通してさらに感じた赤ちゃんや子どもにやさしい社会の雰囲気、を感じた南アフリカ。今日は主に娘がお世話になった園について、ご紹介したいと思います。

ウェイティングなし!入園理由の申告なし!幼保あわせて6園を見学

B.JPG

外国人や白人が住むエリアは、ゆったりとした住宅地で、たくさんの保育園、幼稚園がありました。有名私立付属園(こういうところは出生後すぐウェイティングをかけるのだとか)から、一軒家を使って経営している保育所まで規模も料金も様々。車で15分圏内にざっと10園以上はあったような。驚いたのは、ほとんどの園がウェイティングなし=待機ゼロ、そして入園理由はまったく問われないことでした。保育園、幼稚園、また一体型園、計6園を見学し、大きめの一軒家に庭と小さなプールのある保育園に入ることにしました。

ところで、車社会であることを冒頭でご紹介しましたが、住宅地であっても、送迎車を何台もとめられるゆったりとした敷地、側道があるといったことも、土地や園の設置場所について議論になりやすい日本とは異なる点かもしれません。

保育園の1日をご紹介

最初に通った保育園は、4クラスありました。

・0歳クラス:8人くらい(ベッドの数から予測)
・ハイハイ~1歳:10人くらい
・1~2歳クラス:15人くらい
・2~3歳クラス:15人くらい
・各クラス担任1人、アシスタント2~3人


◆園の1日
7:00~ 登園開始、様子を見て朝ご飯。自由遊び。
9:00~ 全員登園。外遊び。
10:00~ おやつ
11:00~ アクティビティ(プール、工作、歌など)
12:00~ ランチ
12:30~ お昼寝
14:00~ お迎え
以降はアフターケアと呼ばれる延長となります。最後のお迎えはだいたい17:00。
治安の問題があり、働くご家庭も、夜は皆早く帰宅するのが慣例です。

日々の連絡ノートはなし。でも学期末にはレポートが配布されます。

C.jpg

通った園では、家庭とのやりとりをする連絡ノートはなく、送迎時の会話がすべて。集中する登園時間もないため、担任の先生がゆっくりひとりずつお迎えしていました。
“Good morning Sweetie. How are you, today?”などと言いながら、抱っこして目を見ながら子どもに話しかけます。まだ通い始めのころは娘もあまり元気がなく、黒人のアシスタントリーダーがダンスしながら迎えてくれていました。この朝の時間に、「様子がおかしいね。」とか、「今日はご機嫌だね。」と先生と子どもの様子を共有していました。
また、連絡ノートはなかったのですが、学期末にはレポートが配布されていました。評価物ではなく、「発達段階チェックシート」に近いでしょうか。発達段階について細かく項目が分かれていて親の観点以外での発見がたくさんありました。娘が初めてもらった総評は、“Big eater”(これには笑いました)!ランチを毎日おかわりするということで、異国の地でなかなかたくましいな、と当時はとても安心したことを思い出します。

放課後は延長オプション多数。低年齢から習い事も

D.JPG

どの園でも、メインのお迎え時間があり、その後は別料金を払い延長(アフターケア)を選択することができます。また、その時間に外部講師による習い事(Extra murals)が組まれ、別料金でいろいろなプログラムが用意されていました。

例えば、スイミング、運動、サッカー、リトミック、ダンス、バレエ、アートなど。物価や保育料が比較的安いのと同じく、習い事も日本とは比較にならない安さでした。スイミングであれば、1学期(12レッスンくらい)で4,000~5,000円だったと思います。娘が通っていたバレエ教室は、なんと1ヵ月1,000円以下でした。
また、「スピーチセラピー」を日中の時間に取り入れて、外国人だけでなく言葉(英語)のケアを希望する家庭の子どもに、専門家のセラピーをもうけている園もありました。

スナック、ミールは日本人には物足りない?!日本の給食文化への敬意が深まる

E.JPG

のちに、日本に帰国し『ホカツ』をして保育園に入園することになるのですが、その際に日本の給食の素晴らしいことに改めて気づかされました。外国にくると、子どもに与えるスナック(おやつ)やランチの「手軽さ」に驚く人も多いのではないでしょうか。スナック持参となると、バナナ1本、リンゴまるかじりなんてことも(筆者はそういう文化も好きですが)。

よく言えばシンプル、準備もノンストレス、ですね。園でだされるスナックは、「きゅうり」だったり、担任の先生がご褒美にジェリービーンズを何個もあげていたり。子どもは喜んで食べていましたが、季節・行事を感じる食材やメニュー、素材や味付けを楽しむ工夫、色や盛り付けの工夫がなされる日本の給食は「文化」そのものだ!と海外にくる度に感じます。

ざっくり、おおらかな社会だからこそ、子どもにやさしい

FF.JPG

最後に、海外での育児を通して(現在は2ヶ国目)感じることは、「ざっくりしている」ということ。そして「おおらかさ」も求められます。南アフリカでの例をだすと、イベントが時間通りに始まる、ということはほとんどありませんでした。お遊戯会の日に指定時間に到着していたのは日本人と韓国人家族だけだった、ということも。
また、家の修理を依頼し、1日中誰も来ないので電話すると、「あ~、ひどい渋滞で途中で帰りました。」なんて言い訳もしょっちゅう。あきらめもあり、そこに誰も怒らなくなってくるのです。
この「ざっくり感」がすべてのことに通用するとは思いませんが、治安問題、特殊な歴史背景をもつこの国では、家族が健康、安全でその日を締めくくることが、幸せなのだ、と思うようになっていました。複雑な歴史的背景を含みながらも、シンプルな幸福感と、おおらかさ、子どもにやさしい社会がある南アフリカ。もう一度、園生活を送ってみたいですね。


文:Hiromi Shigesada

元(株)ベネッセコーポレーション。ヒットキャラクター「いろっち」発案者。在職中は、新規事業立ち上げ、幼児向け教材、英語DVD開発など担当。2009年南アフリカへ。現地で第二子出産後帰国し2012年に一度復職。現在はマレーシア在住。2児の母。

保育のちょっといい話。ためになる話。知らなかった話。大事な話。お届けします。
定期チェックしたい人はお友達登録を。
友だち追加数

著者プロフィール

著者アイコン
世界・海外の保育チーム
世界・海外各国の「スゴいい」保育に目を向けることで、逆に日本の「スゴいい」保育を照らすことにチャレンジするチーム。今日明日も”世界・海外の保育チーム”はアンテナをピンと張り、海外の保育をみなさんに紹介します。

関連記事