2016年10月から無料に!B型肝炎ワクチンで子どもへの感染を防ごう!

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今回のテーマは「B型肝炎ワクチン」です。

B型肝炎とは、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によって起こる肝臓の病気です。誰にでも感染する危険がありますが、ワクチンの接種によって防ぐことができます。

これまでB型肝炎ワクチンは任意接種でしたが、2016年10月より定期接種となります。そこで今回は、B型肝炎の予防接種の最新動向についてご紹介したいと思います。

赤ちゃんのために、B型肝炎ワクチンのことをきちんと知って、大切なお子さんを守ってあげてください。

赤ちゃんのB型肝炎感染について

B型肝炎ウイルスの感染者は、日本国内で約100万人(約100人に1人)と推定されています。感染後の経過は様々ですが、3歳以下の子どもが感染すると、キャリア(ウイルスを体内に保有した状態)になりやすく、キャリアになると慢性肝炎になることがあります。慢性肝炎になると長期にわたる治療を要し、最悪の場合には肝硬変や肝臓がんなどの命にかかわる病気を引き起こします。また、急性肝炎から劇症肝炎を起こし、死に至るケースもあります。

従来は垂直感染「ウイルスを体内に保持し慢性化した母親(キャリア)から子どもが感染するケース」が主な原因と言われてきました。しかし、日本では1986年以降、母子感染予防対策が行われるようになったことで、出産時でのB型肝炎ウイルス感染はほとんど防げるようになっています。

現在は母子感染ではない別の要因による感染があることがわかってきました。それは水平感染です。

B型肝炎の水平感染に関する解説では、性行為やウイルスを体内に保持した人からの輸血によると解説されていることが多いですが、この水平感染にはなんと「唾液」、「涙」、「汗」による感染も含まれています。このため、保育所でB型肝炎の集団感染が発生したケースもあるそうです。

家庭内であれば、歯ブラシやカミソリを介してB型肝炎に感染する可能性もあるということです。感染したB型肝炎ウイルスが慢性化(キャリア化)して慢性肝炎になると、長期にわたる治療が必要となります。適切な治療をしないと子どもでも肝硬変、肝臓がんへと進展します。そして、3歳未満で感染した場合、慢性化する確率が高まることがわかっています。

日本では遅れていたB型肝炎ワクチンの定期接種

ミキハウス子育て総研が運営する「ハッピー・ノートドットコム」の調査結果(調査期間2015年3月26日~4月1日)によると、これまでの接種率は33.5%と3人に1人といった低い結果でした。

1992年にはWHO(世界保健機関)が、世界中の子どもたちに対して生まれたらすぐにB型肝炎ワクチンを国の定期接種として接種するように指示しており、ほとんどの国で定期接種になっています。

2016年10月から無料の定期接種へ!ワクチン接種で、B型肝炎を防ごう!

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(引用:パピマミ)

B型肝炎はB型肝炎ワクチンで予防します。生後2ヶ月になった日から接種が可能です。4週間の間隔で2回接種、その後に5~6ヶ月経てから1回接種の合計3回接種します。

2016年2月5日の厚生労働省による発表によると、今年の10月よりこれまで有料であったB型肝炎ワクチンが予防接種法に基づき原則無料の定期接種になることが明らかになりました。

【対象】
2016年4月以降に生まれた0歳児。
原則として生後2か月、3か月、7~8か月に1回ずつ(計3回)の接種が標準となります。

【対象外】
母子感染を防ぐためにウイルス感染している母親から生まれた新生児に接種する場合は、対象から除外され公的医療保険が適用されます。

これまで任意で接種する場合、1回につき6,000円~8,000円程度の費用が必要でした。また、自治体が接種料を助成してくれる地域もあるようですが、とても安い料金とは言えませんでした。

しかし、今回の定期接種化に伴い、より受けやすいワクチンになったことは間違いないようです。

このように、B型肝炎ワクチンは、B型肝炎ウイルスが引き起こす様々な病気を予防します。まだ予防接種をしていない場合は、できるだけ早く赤ちゃんにワクチンを接種して将来の命を守りましょう。

~病児保育とは~

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参考文献・参考URL

「小児におけるB型肝炎の水平感染の実態把握とワクチン戦略の再構築に関する研究」結果概要
国立研究開発法人国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター
NPO法人 VPDを知って子どもを守ろうの会
リセマム「B型肝炎ワクチン、3人に1人が接種…子どもの予防接種」

著者プロフィール

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日本病児保育協会
病児保育の担い手を養成し、病児保育の質と認知度の向上を図り、更には担い手同士が「繋がる場」を生み出すことを目的として、2012年9月に設立された団体です。「子育てと仕事の両立が当然で、子どもが社会全体で幸福に育てられている日本社会」を目指し活動しています。

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