目的は、児童虐待を減らすこと。2016年(平成28年)の児童福祉法改正内容まとめ(1)

目的は、児童虐待を減らすこと。2016年(平成28年)の児童福祉法改正内容まとめ(1)

こんにちは。東大卒イクメンパパです。
イクメンです。イケメンではありません。

2016年5月に、保育士試験における超重要法律である児童福祉法の改正がありました。
今回はその内容を簡単にまとめてみます。少し長いので、2回に分けてご紹介しようと思います。

児童福祉法とは?

児童福祉法とは、1947年(昭和22年)に定められた法律で、その名のとおり児童の福祉についての法律です。

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社会福祉六法のひとつで、子どもの福祉について、どういった公的機関がどのような役割を持つか、どのような事業が行われるかといったことが定められています。保育士の資格について定められているのも、児童福祉法ですね。

保育士試験でよく取り上げられる重要な法律です。


児童福祉法改正の目的は、児童虐待対策の強化

さて、まずは、法改正の背景についてです。「なぜ法律の改正を行ったのか?」ということですね。


厚生労働省の資料(児童福祉法の一部を改正する法律案の概要)がわかりやすくまとまっているので、必要に応じて見ていただくのが良いと思いますが、今回の児童福祉法改正の目的は、児童虐待に対する対策の強化です。


厚生労働省の調査によると、全国の児童相談所での虐待相談対応件数はここ20年近くずっと増加傾向にあり、特にここ数年は虐待に対する世間の意識の高まりもあって、件数の伸び具合がぐっと高まってきています。


そういった状況を受け、児童虐待を減らしていくために、法制度を整えようということで、今回のように児童福祉法が改正されたということでしょう。


児童福祉法に盛り込まれる、具体的な児童虐待対策は?

具体的にどのように児童虐待の対策をしていくかというと、主に以下の点です。

(1)妊産婦の支援体制を強めることで、虐待発生を防ぐ

具体的には
母子健康包括支援センターを置き、関係機関との連携を強化

(2)児童虐待が発生した際に、今より迅速・的確に対応できるようにする

具体的には
東京23区に児童相談所を設置可能とする
児童相談所の役割に「弁護士の設置またはそれに準ずる措置」を追加し、法的な支援を強化する

(3)虐待を受けた子どもの自立支援を強化する

具体的には
里親委託の推進を児童相談所の役割に加える
自立支援ホームに大学卒業まで在籍できるようにする

(4)児童福祉の理念の明確化

具体的には
里親委託強化など、家庭養護の推進
度を超したしつけの防止を明記

そもそも虐待自体の発生を予防し(1)、発生した事案には、すぐに対応できるようにし(2)、発生してしまった虐待で傷ついた子どもへの支援を手厚く行う(3)、という流れです。

そして、全体を通して、自動の養護のための大きな方針を示したのが(4)という感じです。

では、具体的に内容を見ていきましょう。

①虐待発生予防

まずは虐待発生予防の施策です。


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具体的な取り組みのひとつは、現在の「母子健康センター」を「母子健康包括支援センター」にバージョンアップさせるというもの。

母子健康センターは、妊産婦の栄養指導や定期検診などを行う施設で、母子健康法にもとづき作られるものです。

この母子健康センターについて、「関係機関との連携」を強化するというのがポイントです。おそらく、児童相談所や医療機関、妊婦の支援をする機関などと情報連携をする、ということでしょう。

②虐待発生時の迅速・的確な対応

次は、虐待が疑われるとき、起こってしまったときの対応についてです。

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ニュースなどでも注目されているのは、政令で定める特別区=東京23区に児童相談所を置くことができるようになったというところ。

児童相談所:東京23区でも設置…厚労省が法改正方針 - 毎日新聞

現在東京都内にある児童相談所は11か所。ひとつの児童相談所で複数の区をカバーしています。
今回の法改正により、区ごとに児童相談所を置くことができるようになり、よりスピーディできめ細かい対応ができるようになります。


ちなみに現在の児童相談所の設置基準は、

設置義務あり→都道府県と政令指定都市

設置可能→中核市(人口20万人以上で規模・能力が大きい市)

となっていますが、これが

設置義務あり→都道府県と政令指定都市

設置可能→中核市(人口20万人以上で規模・能力が大きい市)、東京23区

となるということですね。


また、児童相談所の配置職員について、「弁護士の配置あるいはそれに準ずる措置」というものが追加されました。
おそらく、親権停止などの措置を必要に応じて取りやすくなるよう、「現在の保護者に保護されることが適切でない」ということを専門家が判断しやすくするためではないかと思います。

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次回は(3)虐待を受けた子どもの自立支援を強化する、(4)児童福祉の理念の明確化について説明します!

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著者プロフィール

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東大卒イクメンパパ
フローレンスで働く東大卒のパパ社員です。3歳の娘、0歳の息子に奥さんともども毎日楽しく振り回されています。いろいろありまして、保育士試験を受験することになりました。東大受験のあらゆるノウハウを駆使して(?)試験合格を目指しつつ、ポイントをブログにまとめて、同じように保育士試験を受験する方を応援していきます!働きながら、育児しながら試験勉強がんばります!

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